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消費者庁、食物アレルギー「クルミ」義務化検討「アーモンド」推奨品目追加へ

2019.09.22話題のニュース

食物の摂取による「アレルギー」とは、食物を摂取した際に身体が食物(に含まれるタンパク質)を異物として認識し、自分の身体を防御 するために過敏な反応を起こすことを食物アレルギーと呼んでいます。

2019年7月5日、「アレルギー物質を含む食品の表示について(第56回消費者委員会食品表示部会 説明資料)」において「平成29年「即時型食物アレルギーによる健康被害の全国実態調査」」の結果として、食物アレルギーの原因食物の割合結果が報告され、「木の実」類への表示義務について方針が公表されました。

鶏卵1,681例(34.7%)、乳1,067例(22.0%)、小麦512例(10.6%)。過去に比して木の実類の増加が著しく、8.2%を占め、小麦に次ぎ第4位(前回8位)。木の実類の内訳は、クルミが251 例で最も多く、以下、カシューナッツが82例、アーモンド21例と、これまでに中途より特定原材料等に格上げとなったバナナ、カシュー ナッツ、ゴマと比べても、症例数においても 十分に多い結果となり、これにより、現在の推奨表示であったクルミは、妥当性評価のち、2~3年後の施行を目安に準備が進められています。また、アーモンドは、令和元年、9月19日に消費者庁よりアレルギー発症者の増加を踏まえ、「特定原材料に準ずるもの」として表示の推奨へと追加されました。

なお、食品表示基準附則第4条に基づく経過措置期間が令和2年3月31日に終了すること及びアーモンドは推奨表示であることから、アレルゲンとしてのアーモンド表示を行う時期については、各事業者の対応状況にゆだねられています。

アレルゲンを含む食品に関する表示について(令和元年9月19日消食表第322号)[PDF:144KB]

 

食物アレルギーの原因食物の割合

 

年齢別原因食物(初発集計)では、0歳は鶏卵、牛乳、小麦と多く、その後は加齢とともに大きく変化しています。1. 2歳群では魚卵類が2位、木の実類が3位、3-6歳群では木の実類が32.5%で頻度が 一番高く、魚卵類が2位、落花生と果物類の比率が上昇。7-17歳群では果物、 18歳以上群では甲殻類がそれぞれ1位となり、年齢が上がるにつれ、甲殻類の症状が出てきています。

 

年齢別原因食物(初発集計)

 

 

「ナッツ類」アレルゲン視野に入れたメニュー検討へ

諸外国の多くでは、アレルゲン表示制度として、「ピーナッツ」、「クルミ」、「カシューナッツ」、「ピスタチオ」、「アーモンド」等といった「木の実(Nuts)」をアレルゲン対象として表示をしています。日本の飲食店の多くは、安価な外国産ナッツを海外から輸入しており、益々のアレルゲンへの配慮の必要性が増してきています。今回の調査結果により、鶏卵、牛乳、小麦粉の次に症例の多かった「クルミ」や、前回調査でも、特定原材料 等でカバーされない食物の中で一番多かったアーモンドは、2 期連続して特定原材料等でない中で最も多く結果となりました。表示を奨励 (任意表示)特定原材料に準ずるものとする「くるみ」は、妥当性評価が進められたのち、今後表示義務追加が見込まれています。保育園・幼稚園・学校・病院などの給食では「木の実類」の提供がされているところは、ほぼなく、アレルゲン対応の管理が進んでいますが、一般的な飲食店への普及はされておりません。特定原材料や任意表示に関しては注意が必要です。

とくに、カシューナッツとピスタチオ、クルミとペカンナッツ、花粉症とりんごなど、交差抗原性をもつため、どちらかにアレルギーがあった場合は注意が必要です。

 

アレルギー物質を含む食品の表示の経緯

◆即時型食物アレルギーによる健康被害の全国実態調査

平成29月1月から3か月毎に1年間に渡って葉書を郵送する方法で実施

アレルギーを専門とする医師(日本アレルギー学会指導医及び専門医、 日本小児アレルギー学会会員)の中で調査の主旨に賛同をえられた協力医師(1,105名)などから4851例を基に集計・分析

 

◆調査結果(一部抜粋)

・症例は、0歳が1,530例(31.5%)で最も多く、1,2歳群が1,364例、3-6歳群が1,013例、717歳群が714例、18歳以上群230例。全体の男女比は男女 (2,897/1,954)で男性が多い傾向。

・即時型症例4,851名において、特定原材料7品目は77.0%(3,733名)を占め、特定原材料等20品 目を含めて94.5%(4,584名)を占めた。ショック症例524名において、特定原材料7品目は76.5%(401名)、特定原材料等20品目を含め て94.0%(493名)を占めた。

・ アーモンドは前回調査でも、特定原材料 等でカバーされない食物の中で一番多く、2 期連続して特定原材料等でない中で最も多 かった。 アーモンドは、これまでに中途より特定原 材料等に格上げとなったバナナ、カシュー ナッツ、ゴマと比べても、症例数においても 十分に多いといえる。

これらの結果から、今後アーモンドの推奨 表示対象への追加を検討する必要性が示 される。またクルミを筆頭とした木の実類 アレルギー患者の急激な増加は注視しておく必要がある。

 

 

◆表示義務 特定原材料 (7品目)

理由:特に発症数、重篤度から勘案して表示する必要性の高いもの 

◆表示を奨励 (任意表示)( 21品目)特定原材料に準ずるもの

理由:症例数や重篤な症状を呈する者の数が継続して相当数みられるが、特定原材料に比べると少ないもの (アレルゲンの表示は、原則、個別表示。例外として、一括表示も可。)

 

◆表示例

<個別に表示する場合>

原材料名:じゃがいも、にんじん、ハム(卵・豚肉を含む)、マヨネーズ(卵・大豆を含む)、たんぱく加水分解物(牛肉・さけ・ さば・ゼラチンを含む)/調味料(アミノ酸等)

<一括して表示する場合>

原材料名: じゃがいも、にんじん、ハム、マヨネーズ、たんぱく加水分解物/調味料(アミノ酸等)、(一部に卵・豚肉・大豆・ 牛肉・さけ・さば・ゼラチンを含む)

 

参照:
アレルギー物質を含む食品の表示について(第56回消費者委員会食品表示部会 説明資料)令和元年7月5日(金)

食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業報告書(消費者庁)

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