世界中の様々な食の規律等
イスラム教徒/ハラール(アラビア語: حلال Halāl)
- ハラル
- 許されたもの、合法的なもの
- ハラム
- 豚、犬、血液、水陸両性の動物、アルコールなど。シャリア法に基づく特定の処理をされていない肉
- シュブハ
- どのように処理されたか、よくわからないもの(疑わしいもの)
「ハラル(アラビア語: حلال Halāl)」とは、イスラム教徒の食の規律に関しての言葉で、イスラム教徒の教えに基づき、「合法的なもの」「許されたもの」を意味しています。反対に「禁じられている」と言う意味の言葉が「ハラーム(ハラム)」といいます。ハラームをノンハラール(ノンハラル)と言う人もいます。またどのように処理されたか、よくわからないもの(疑わしいもの)などは「シュブハ」といい避けられる傾向にあります。
●調理上のよくある質問
・衛生の消毒アルコールは使用可能ですか → A.まな板等調理器具殺菌のために使用するのは問題ありません。飲酒はNGです。
・うなぎや穴子は提供してもいいですか → A.鱗のない魚は、ハラルではないため、NGです。(宗派によります)
ベジタリアン・ヴィーガン
- ベジタリアン
- 動物性の食品の一部または全部を避けて植物性食品を中心に摂ること
- ヴィーガン
- 一切の動物性食品を食べないこと
ベジタリアンには、乳製品と卵の両方を食べても良い「オボ・ラクト・ベジタリアン」や鶏肉や魚介類を食べる「ポロタリアン」など様々な種類があります。インド系のベジタリアンは、ヒンドゥー教徒やジャイナ教徒など、宗教面から取り組んでいる場合が多く、何が食べられて、何が食べられないかは、家系(宗教や職業)によって異なります。欧米系のベジタリアンは、倫理面・健康面から取り組んでいる場合が多いのが特徴です。また、ベジタリアン、ヴィーガンに限定するのではなく、誰もが気軽に食べられる食として、豆や野菜などを中心にした代替肉やプラントベース商品も開発されています。家系による(宗教上による)ベジタリアンやヴィーガンは、生まれた時から肉の味を知らない場合が多いのですが、代替肉やプラントベース商品は、普段肉食の人も手軽に食べられるのが特徴的です。
ユダヤ教徒/コーシャ/カルシュート
- コーシャ
- ユダヤ教における「カシュート(食事規定)」のうち、食べても良いもの
- カシュート
- 食べてはいけない食材のほか、同じ料理の中に使ってはいけない組み合わせなどが規定されている
食べていいものを「コーシャ」と呼び、食べてはいけないものと区別されています。「分かれた蹄を持ち、反芻(はんすう)する」種として、ウシ、ヒツジ、ヤギ、シカ、鶏などの鳥類、また鱗やヒレがたやすく取れる魚はコーシャ(食べてもいいもの)とされています。食べてはいけないものとして、豚、貝類、いか、たこ、えび、かに、うなぎなどの鱗のない魚介類など。また同じ料理の中に魚と肉の両方を使ってはいけないなどが定められています。
食物アレルギー
- 特定原材料
- 卵、乳、小麦、えび、かに、そば、落花生
- 推奨品目
- 大豆、牛肉、豚肉、鶏肉、あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、くるみ、バナナ、さけ、
- さば、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ごま、ゼラチン、カシューナッツ、アーモンド
- 交差反応
- カバノキ科やイネ科などの花粉症の種類によって、バラ科果物(りんご、もも、さくらんぼなど)やウリ科
- 果物(メロン、スイカなど)と交差反応によりアレルギーが発生する場合がある。
食物アレルギーとは、特定の食物に触れたり吸ったり、摂取したりした際に、身体が食物に含まれているたんぱく質等を異物だと認識し、防御するための免疫反応です。そのため、普段聞きなれないような食べ物もアレルギーを起こす人がいます。また、人によってアレルギーの種類や発症する症状が異なったり、交差反応し、症状が出る場合など、注意が必要です。メニューには使っていなくても、同じ厨房内で調理することで混入することもあり、事前に避けられるよう正しい情報の提供(記載)が求められています。
●主な注意点
・人によって発症する食物は様々で、症状が軽い場合もあるが、最悪死に至ることもある。
・離乳食期、幼児期に多く症状がみられ、成人後にアレルギーが発生する場合がある。
・花粉アレルギーでは果物や野菜に含まれるアレルゲンと交差反応し、アレルギーが発生する場合がある。
グルテンフリー
- グルテン除去食
- もともとは、セリアック病のグルテン除去食、小麦の消化や代謝不良等を改善するための食事療法。
- また、グルテンに反応する小麦アレルギーの人や、グルテン不耐性を持つ人に対しての食事のこと。
グルテン除去食は、セリアック病の患者向けの食事療法でしたが、「ヘルシーな食生活」の見直しとしてグルテンフリー・ダイエットが広がってきています。特に北欧・欧米で取り入れられており、今ではセリアック病ではない人たちも食習慣の見直しや体質改善などを目的に実践しています。小麦粉からグルテンを抜いたパンやパスタが開発され、世界的な食のトレンドの一つとなっています。